風景の写真・祭り・神事・行事・鬼剣舞 1 [ 1-1 ]
撮影場所 鬼の館(岩手県北上市)
撮影日 2025/06/29 13:45:10
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR Ⅱ
黒岩鬼剣舞(くろいわおにけんばい)の「一人加護(ひとりかご)」は、伝統のなかに凛とした緊張感と深い祈りを秘めた特別な演目です。この演目は、五穀豊穣、悪疫退散、戦勝祈願などの願いを込めて舞われる剣舞の一種で、他の踊り手と異なり、ひとりで神に向き合う点に強い精神性が宿っています。一人加護を踊る者は、仮面をかぶり、衣裳には漆黒と金襴が織りなす荘厳な装飾が施され、舞台の中心に立つその姿には神聖な孤高さが漂います。
風景の写真・祭り・神事・行事・鬼剣舞 1 [ 1-2 ]
撮影日 2025/06/29 13:43:22
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR Ⅱ
舞は、足拍子と太刀の振り、そして身体全体で奏でる律動によって構成されており、一挙手一投足に魂が込められています。とくに「受け太刀」と「打ち太刀」の所作は、見えざる邪を祓い、天地を清めるかのような力強さを感じさせます。背景に流れる笛や太鼓の音に合わせて、踊り手の動きが徐々に高揚し、静と動の間を往復するような舞の構成は、観る者に神事としての格式と、舞の内に流れる精神の美を伝えてくれます。
風景の写真・祭り・神事・行事・鬼剣舞 1 [ 1-3 ]
撮影日 2025/06/29 13:42:00
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR Ⅱ
黒岩鬼剣舞のなかでも一人加護は、継承者にとって大きな重責を伴う演目です。単に舞の技術を超えた、心と身体の一致、そして神仏との深い対話が求められるからです。舞い手が一人で祈りを体現するその姿は、地域の人々の願いや歴史を背負い、未来へとつなぐ架け橋のようでもあります。まさに、個の舞が全体の魂を象徴する、鬼剣舞の真髄とも言える存在なのです。