旧黒沢尻高等女学校校舎は、大正時代の教育文化を今に伝える貴重な木造建築です。岩手県北上市にある「みちのく民俗村」に移築・保存され、当時の女子教育の雰囲気を体感できる空間として公開されています。寄棟造りの屋根と白い漆喰壁が特徴で、教室や廊下には木の温もりが残り、明治・大正期の学び舎の面影を色濃く残しています。校舎内には、当時の教材や制服、写真などが展示され、地域の教育史を学ぶ資料館としても機能しています。女性の社会進出が始まった時代の象徴ともいえるこの校舎は、北上の歴史と文化を語るうえで欠かせない存在です。